K3の部屋



 シャックに新しいリグが到着しました。
 ELECRAFTのK3です。
 

2008/3/29

 
USAから到着。税関で2回もつっかかる。

 
   今回購入したもの
    K3/100 K3 100W Xcvr. (Modular Kit)
 KAT3 K3 ATU (Modular Kit)
KFL3A-400 K3 400 Hz, 8 pole filter
KFL3A-6K   6 kHz, 8-pole roofing filter

 
              キットの組み立てマニュアルなど        ビスやナットが多いので、種類別に仕分けした

 
                  フィルターの取り付け               10Wファイナルユニットの取り付け

 

 
                      リアパネル                     ATUの取り付け

 

 

 

 


10W仕様のK3が完成

 K3の組み立ては、パソコンの組み立てキットと同じですから、切ったりすることは基本的には必要ありません。
 ただ、時間はかかりました。組み立てるよりも、英文を理解するのに時間がかかりました。まあ、写真やイラストを見ればだいたい予想出来るのですが。
 結局、8時間くらい組み立てにかかりました。その後、少し調整する必要があります。
この調整は100Wアンプを組み入れる前に行います。現在は10W機のままです。

2008/4/6
K3の100W化



K3の100Wアンプを組み込みました。
出力12W以下はドライブだけ働き、13W以上になるとファイナルが働きはじめます。

シャックにある安定化電源は出力5Aまでの小さな電源と、25AまでのICOMの電源の2台です。
今までのK3は出力10Wだったので、小さな電源で大丈夫でした。
100WにするにはICOMの電源の出番が来るのですが、この電源は出力が6ピンの電源コネクタのみで、ターミナル端子が付いていないのです。

13Wにすればファイナルが働きはじめるので、13Wにセットしました。
ところが、13Wにするだけで5A以上の電流が流れ、K3の保護回路が働いてしまいました。
QRPではドライブだけ働かせるというのは、実に合理的ですね。 

後日、別のパーツ屋さんへ行き、電源コネクタを買ってきました。
そして、ICOMの電源と通過型電力計、ダミーロードをつなぎ送信試験をしました。
無事に100W出たので合格です。


2008/4/7
ファームウェアーのアップデート

ファームウェアーもアップデートしました。
K3 Utilityという便利なソフトがあり、ELECRAFTのWebsiteからダウンロードして、パソコンにインストールします。
パソコンとK3をシリアルケーブルでつないで、ワンクリックでアップデートが終わってしまいました。

CWを受信した感じは、もう手元にはないPRO2の完敗。
MARK-V Fieldは惜敗です。

MARK-V Fieldに比べて信号の切れは明らかにK3の方がいいです。
MARK-V Fieldはフィルターを340Hzにして聞くと、250Hz離れているS9の信号でAGCが働いて、誰かいるな〜というのがわかります。
しかし、ルーフィングフィルターを400Hzにすると、K3は200Hz離れればAGCがほとんど影響されなくなり、DSPフィルターで信号を切れるために、200Hz離れているS9の信号は全く気になりません。

これはルーフィングフィルターを250Hzにすれば、メジャーコンテストでも40mのような過密バンドでランニングが出来るのではないかという気がします。
ちなみに、MARK-V Fieldには4kHzのルーフィングフィルターが入っています。
この4kHzのルーフィングフィルターが入っていなければ、K3に完全に負けていたでしょうね。

ただ、CWの受信音はMARK-V Fieldの方がいいです。K3は今までのDSP機の中では最高の音だと思いますが、それでもアナログ処理のMARK-V Fieldには勝てません。
横に置いてあるK1の音が澄んでいていいな〜
今、ドラゴンノイズが出てきましたが、K3のNBですっかりおとなしくなってしまうので、ローバンドにはもってこいの機械だと思います。

ハムショップの店頭でIC-7700の音を聞いてきました。JA7RLに納品するものだそうで。ICOMにしてはいい音でした。DSPはだんだん改良されていますね。ソフトのバージョンアップが有効なのでしょう。
K3は70万円もするリグと同等以上の耳をしていると思います。あっちは250Hzなんていうルーフィングフィルターはありませんから、コンテストをやるにはK3でしょう。


2008/4/13

K3でJIDXに参加中の局を聞いてみました。

それで、気が付いたこと。
極めて弱い信号で複数の局の場合、音が溶けてしまい、何がなんだかわからなくなるということです。

これはIC-756PRO2を使っているときに感じていたことと同じです。
ただし、K3の場合は弱い複数の信号は分別出来ます。
IC-756PRO2はそこそこの信号でも音が溶け合ってしまいました。
この点、K3のDSPの方が遙かに上です。

ただ、極限の状況下ではアナログのリグの方が良さそうです。
これは無線機に限らず、オーディオなどでも似たようなことが言えるでしょう。

オール東北コンテストで、強い複数の信号という状況を体験する予定です。


2008/4/19

80mでオール東北コンテストを1時間ほど聞いてみました。
K3のルーフィングフィルターとDSPの効き具合を調べるためです。
使ったアンテナは地上高5mくらいのフルサイズツェップ。

一番知りたかったのは、強い局や弱い局、いろいろな信号強度の信号を同時に受信したときに、きちんとコールサインを分別してコピーすることが出来るかということです。

結果を言えば、かなりOKです。
同時に強い局と弱い局を受信した場合でも、弱い局のコールサインをコピーすることが出来ました。
3、4局同時に受信しても大丈夫です。それ以上の数は経験出来ませんでした。
オールJAでないとそういう条件は設定出来ないでしょうね。

これが、IC-756PRO2だとそうはいかず、どの信号も溶けて混ざり合ってしまう感じでした。
たぶん、DSPの差なのでしょう。ハードなのかソフトの要因が大きいのかわかりませんが。
K3はDSPのソフトを結構アップデートしているようです。

MARK-V Fieldとの比較はしませんでした。
アンテナの切り替えがやっかいだったので。


2008/4/20

めったに出ない電話ですが、新しいリグなので電波が出るかテストするためにもマイクをつないでみました。
まず、MC-80のマイク端子はIC-756用になっているので、説明書を見ながらマイクコネクタにつないであるビニル線の半田付けをし直す作業からはじめました。

元々KENWOOD用のマイクなので、マイクコネクタ自体は1本しか交換する必要がありませんでした。
Elecraftのピン配置はKENWOODとは1本違うだけなのです。
ところが、ICOM用にMC-80の結線を変えてありました。10年近く前の作業だったので、どのピンをどこに変えたのかなどは全く覚えていませんでした。
それで、調べながらの作業になり、少し時間がかかってしまいました。

無事に作業も終わり、マイクをリグに接続して、ダミーロードをつないで送信してみました。
SSBをMARK-V Fieldでモニターした感じでは、可もなく不可もない音です。
AMは設定が難しかったです。
マイクゲインとコンプレッションのレベル調整が難しかったです。
まあ、AMなんてめったに出ないからいいのですが。

それにしても、SSBだと受信帯域は6kHzに設定出来るのに、AMだと3kHzしかできないのはなぜでしょう?
反対ならわかるのですが。

※次回のファームウェアーのアップデートでフィルターの設定が6kHzに出来るようになるそうです。


2008/4/29
ALL JAを聞いてみました。

K3のルーフィングフィルターを400Hzに設定し、DSPでさらに250Hzまで帯域を絞ると、そこには別世界が待っていました。(ちょっとおおげさ)

7028kHzという上の方でランニングしている局を聞いたせいもあるのですが、コンテストにもかかわらずノイズの少ない静かなK3から、突然コールサインが浮き上がってくるという感じです。

ルーフィングフィルターを2.8kHzにして、DSPを450Hzにすると、こうはいきません。
それから、MARK-V Fieldのフィルターを500Hz,350Hzの2段にしても、こうはいきません。
それは、AGCが近接している局の影響を受けて、受信している信号がふわふわしてしまうのです。ぽつ、ぽつ、というCWの音も聞こえるし。

400Hzのルーフィングフィルターでこのくらいの効果を得られました。
INRADの8ポール250Hzを購入するかどうか、微妙な線です。

今回DSPを実感しました。
QRP局を受信中、相手の信号強度が下がっていくときに、あるレベルまで下がったらすっと消えてしまいました。デジタルですね〜
これが、K1とかTS-830とかだと、だらだら聞こえなくなっていき、符号にならなくても存在はわかるのですが。


2008/5/3

 第一ミキサーのすぐあとにフィルターを入れることにより、混変調に強くなるアダプターの製作記時をCQ誌で読み、すごい衝撃を受けたのは30年近く前のことです。今となってはうろ覚えですが、2SK125?を2個使ったバランスドミキサーの後に20数MHzの水晶フィルター(セラミックフィルターかもしれない)を置いて、リグに接続するというものだったような気がします。
 自分が使っていたTRIO(現KENWOOD)のTS-520Vとは全く違う回路でした。入り口で信号を絞ってしまうという考えは、極めて理にかなっていると感じました。

 ここ1,2年の間に、TRIOのTS-830やDRAKEのR-4Cを手に入れ、受信音を聞く機会を得ました。その音は落ち着いたもので、アマチュア無線界を席巻しているゼネカバ・アップコンバージョンタイプのざわざわした感じをこれっぽっちも受けない音なのです。このタイプの一押しはELECRAFTのK1です。
 K1はシングルコンバージョンでVFOタイプなので、音が澄んでいます。ダブルスーパーやトリプルスーパーでは音が濁ってくるのです。SSBではわかりづらいですが、CWだとわかります。
 一時期K1にアンプをつけて100W化すれば、メインリグとして使えると本気で考えていました。しかし、7MHzのアンテナをDPからHB9CVに換えてからK1が混変調を起こしてしまい、K2を導入しようと考えていたところにK3が登場したのです。
 
 K3のいいところは、DSPに頼るのではなく、ミキサーの後に入れるフィルターにお金をかけるというところです。全てのK3には5ポール2.8kHzのフィルターが内蔵されています。さらに、オプションとしていくつかのルーフィングフィルターを入れることが出来ます。私はCW用に400HzのフィルターとAM用に6kHzのルーフィングフィルターを入れました。
 6kHzのルーフィングフィルターの必要性はおいておくとして、400HzのルーフィングフィルターはCWをやるにあたって素晴らしい受信環境を提供してくれました。聞いている周波数だけ受信している感じがするのです。それは、20kHz幅のルーフィングフィルターを通り抜けてきた電波をDSPではうまく処理しきれなくて、持て余してしまっているような某会社のリグとは全く違います。20kHzも帯域があると、ローバンドではざわざわとしたものを常に感じながらワッチする羽目になります。K3で7026kHzを聞いているときには、静かに7026kHzだけを聞くことが出来るのです。

 自分の考えていた理想の受信機を体現しているK3を使うことは大きな喜びです。これからは私のシャックでメインリグとして君臨することになりそうです。

 


2016/1/4

 K3のAGC設定について
 AGCの設定次第で受信フィールがまるっきり違うK3になります。
 私の現在の設定はAGC DCY Soft, HLD 0.00, PLS nor, SLP 3, THR10,
 ここが参考になりました。
http://www.cliftonlaboratories.com/elecraft_k3_agc_and_s-meter.htm#Test_Setup